ビットコイン ハードフォーク回避 Segwit2xが中止

ビットコイン ハードフォーク回避 Segwit2xが中止

2017年11月中に予定されていたビットコインのSegwit2xによるハードフォークが中止になりました。ビットコインコミュニティー内において『十分なコンセンサスが得られていない』として、2017年11月8日にSegwit2xの推進派であるコミュニティーから導入延期の発表がありました。

前回の記事『ビットコインのハードフォーク事情』でも書きましたが、このタイミングでSegwit2xを行う意味に疑問を感じていた筆者からすると、妥当な判断に思えます。

Segwit2xとは

そもそもこのSegwit2xとは、ビットコインのスケーラビリティー問題を巡るコミュニティーの対立から端を発します。

ビットコイン・コミュニティーの中でも主要な2つのコミュニティーの対立は双方譲らずの状態が続き、そうした状況にビットコインの行く末を案じたビットコイン・コミュニティーの関係者が、双方の折衷案を提案します。それがこのSegwit2x(BIP91とも呼ばれる)だったのです。

ビットコイン・コミュニティーの関係者は2017年5月に、ニューヨークでNYA(New York Agreement)という合意形成のための会合を開き、Segwit2xによる改善案が合意されます。

合意されたとはいっても、対立している一方のコミュニティーはこのSegwit2xという提案を受け入れておらず、この会合にも出席していませんでした。

こうしてビットコインのスケーラビリティー問題を巡る改善案は、不透明なまま様々な憶測が飛び交って混乱していきます。

ビットコイン・キャッシュ(BCH)の存在

本来はこのSegwit2xが行われることにより、初めてビットコインの分裂が起きるのかもしれないと思われていた訳です。しかし現在となっては既にビットコインは分裂しており、ビットコイン・キャッシュ(BCH)に続きビットコイン・ゴールド(BTG)までもが存在しています。

Segwit2xではスケーラビリティー問題の主な改善策として、ブロックサイズを1MBから2MBに上げる予定でしたが、先にビットコインから分裂したビットコイン・キャッシュでは、ブロックサイズが8MBに引き上げられております。

この状況でビットコインのブロックサイズを1MBから2MBへ引き上げるといっても、なんだか物足りないというか、状況にそぐわない感が否めません。

Segwit2xが中止(延期)になった理由は?

今回Segwit2xの中止(延期)に際しては、先述したようにビットコイン・コミュニティーの『十分なコンセンサスが得られなかった』というのが主な理由のようです。

中止を発表した声明の中では、ブロックサイズを大きくすることの必要性を強く信じているとしながらも、ビットコイン・コミュニティーを維持することがさらに重要だと考えているとしており、ビットコイン・コミュニティーが分裂することによって、ビットコインの成長が後退する可能性があり、これは決してSegwit2xの目標ではないと述べています。

Segwit2xの実装はマイニング団体を主体とするビットコイン・コミュニティーが推進している訳ですが、対立しているビットコインのコア開発者側のコミュニティーと意見が一致しない一番の理由は、マイニングによって得られる経済合理性にあるといえます。

ブロックサイズが8MBに引き上げられたビットコイン・キャッシュが誕生した現在、既にSegwit2xの意義は失われているというビットコイン関係者も多い。このような状況でSegwit2xを実装してビットコイン・コミュニティーが分裂しても、メリット(経済合理性)はないと判断したのでしょう。

今後のビットコイン

SegWit2xの参照実装ソフト(btc1)の開発を行っている、ジェフ・ガージック氏は今後も開発を継続していくと述べています。

時価総額最大の仮想通貨であるビットコインと、そこに関わるステークホルダーが今後もそれぞれの立場でビットコインが抱える様々な問題について議論を重ねていくでしょう。

SegWit2xが中止(延期)になっても、ビットコインのスケーラビリティー問題が解決されたわけではありませんが、SegWit2xが中断したことはビットコインにとって新たな展開を予兆させる議論の進展が期待できそうです。

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